9月1日。
いつものようにテントの中から顔を出してオーロラを待った。9月1日だというのに外は氷点下。
朝の4時過ぎのこと。
東の空に太陽光のような光が横切っている。
オッ!オーロラ・・・か?
揺れない。光がさしているだけだ。本当にオーロラかぁ?単なる夜明けなんじゃ・・・
それでもしばらく眺めていると、突然山にかかっている一番端から誰かがその光を
「トン」
と叩いたかのようにウエーブがその光を横切った。
とたん単なるボテッとした光がゆらゆら揺れ始めた
すげぇ
オーロラだ
そこからはまさにショーだった。
しばらくはカーテンのような薄いベールのようなにやさしく揺らめいていてが、またも山にかかっている端っこから
まるで導火線に火をつけたかのように黄色い光に変わった。
バチバチバチ!
もちろんこんな音はしないが、確かに聞いた。
黄色い光は、それまでのカーテンの様な薄い緑の光を吸収し一気に燃え上がった。
「光る」ではない。完全に「燃える」だった。
燃えつくすとまた薄いカーテンに戻った。
あっという間の出来事だった。「綺麗」というよりは、驚き、圧倒された。