寒波襲う極寒の中、カルガリー出発です。
いき揚々と走っていると、タイヤが滑る感触が。
パンクです。
いつもの様にその場で直すと、後ろに一台の車が止まりました。
まぁよくある事です。
「どうした?大丈夫か?」
「うん。パンクしたけど、ちょうど直し終わったとこ」
「今日はどこまでいくんだ?」
「決めてない。後30キロくらい走ったら適当に野宿するつもり」
「野宿だって!?こんな寒い日に外で寝たら凍っちまうよ。
よかったらウチに泊まりなさい。」
で、一瞬のうちに色々考えた。
当然のリスクであるこの人は善人か?悪人か?
正直、寒さも危険な程ではないし、出来ればもう少し進んでおきたい。
だけど
面白そうだなと思ってしまった。
強いていうならカンだ。
「マジっすか~ありがとうございます。」
よし。知らない人について行こう。その人はトロイと言い、10キロ先に家が有るからと車に自転車を積み込んだ。
閑静な住宅街にある家に案内され、
「シャワーを浴びたら、ディナーを食べに行こう。
今日はターキーだぜ。」
ちょっとうますぎる気もするが、のっかろう。
気持ちいいシャワーを浴びて、またカルガリーへ向け出発。
トロイは元サイクリストでオーストラリアやニュージーランドを走り、
バックパックでアジアなどを旅したという。
なるほど。旅人か。
ちょっと安心。
すると突然
「ビール飲む?」
プシュッ
ビール片手に運転を始めた。
おいおいおい・・・
一抹の不安を残し、カルガリーの住宅街へ入った。
なるほど。今日はホームパーティらしく、 (後日収穫を祝う感謝祭だったと判明)
そこに招待してもらう感じだ。いきなりターキーだなんて
ちょっとうますぎると思ったが、そういうわけか。
中に入ると、トロイの親戚が赤ちゃんからお爺ちゃんまで
15人くらい集まっており、皆暖かく迎えてくれた。
もう先ほどの不安はなくなり、すっかり楽しめた。
料理は、これぞホームパーティと言うものばかり。
ターキーに、マッシュポテト、コールスロー、グリーンピース
芋揚げ、酢の物。その他数多く。
デザートはデザートでパンプキンケーキに、チェリーパイ
チョコレートフォンデュまであって、とにかく豪華だった。
どれも美味しく、本当に楽しい一時で大感謝だった。
この時までは・・・
9時頃皆が帰り始め、最後に僕達が家を出た。
トロイは車に行かずガレージへ入って行った。
「?」
何でだろう?
と思い中に入ると
突然 、トーンを落とし
マリファナ知ってる?やる?
ん?なんかマリファナって聞こえたけど、さすがにそりゃないか
わからないりをしてるとふりをしてると、
今度はしっかり
あぁ、やっぱし・・・
いや、俺はいいや
と丁重にお断り。
すると家主のじっちゃん、ばっちゃんもガレージへ入ってきて
さっきまで、赤ちゃんと赤ちゃん言葉で戯れていたのに 、急にマフィアみないな表情で当然の如く、タバコ葉とマリファナを混ぜて、ぷかぷかと吸い始めた。
>そのキャップ見事なり !!
いやいや、言うてる場合か~!
なんじゃそりゃ~
なんで一般家庭にマリファナがあるんだー!
まるで下手な映画の世界にいるようだ
さっきまで和やかムードだったのに、マリファナの匂いに包まれた。
雰囲気は危なくない。いけないことをやっている空気感もない。
普通の食後の一服という感じで、吸い終わると何事もなかったかのように
車に乗り込みトロイの家へ向かった。
カナディアンカルチャーの光と影をいっぺんに体験出来た
素敵な夜でした。その後懲りずにもう一泊お世話になりました。
ありがとう。トロイ
2009年現在マリファナはカナダでも違法です。だだ前科が付くことがないので事実上半合法みたいです。合法に向かってはいるみたいですが、今んところグレーゾーンとの事です。
その後2018年に合法化