ブランディングかメキシカンハットに着いたら電話してくれとの事だった。
ちょうどブランディングでモーテルに泊まっていたので、スカイプで掛けてみる事にした。
ピッポッパ・・・・
「こちらはKDDIです。お掛けになった電話番号は現在使われておりません」
えー!そんな~・・・・
ん!?
なんでKDDI?なんで日本語?
どうやら、自動的に日本に掛かる設定になっているらしい。
その設定をパッと変えられるほど、僕は出来る男ではない。
ここはさっさと切り捨て、公衆電話へ行くべし。
初公衆電話だ。25セントコインを入れダイヤル。緊張。
ところが、ダイヤル途中で音声ガイダンスが流れてしまう。
何言ってるか判別不能。よしもう一度。
すると「地域の識別番号を押し、その後にダイヤルして下さい」と言っているようだった。
「はぁ?そんなん知らねーよ!」
困っていると井戸さんが「アメリカだから1じゃねぇっすか?」
いやいや。それは国の識別番号っすよ。
いくらなんでも近距離でそれは・・・
繋がった!!
あざーっす
ところがまた音声ガイダンス。「もう25セント入れろ」と言ってきた。
ったく。なんてわがままな奴なんだ!!
ようやく全ての工程を把握し、いざコール。
プルルルル・・・ プルルルルル・・・・
緊張が一気に高まる。まるで好きな子の家に電話している中学生の気分だ。
ガチャ。「ハロー」
ゲッ。女の人(奥さん)だ。レアリさんじゃねぇ。
好きな子の家に電話したらお母さん出ちゃった。まさにそんな状況。
テンパル俺。言おうと思っていた英文が一気に吹っ飛ぶ。
僕「ハロー」女性「ハロー」僕「ハロー」
って繰り返してどうする!!
まずは名前だ。事前に伝えてあるし、名前を言ったらきっとわかってくれるだろう。
「ぼっ、僕はガクと言う者で、にっ、日本人サイクリストです。レアリさんお願いします」
緊張でめっちゃかみかみ。きっとこのかんでる感じだと日本語で日本人に言ったとしても、伝わらないだろう。
案の定「?」>みたいなリアクション。
今の俺にはもう、これ以上の英文は出てこないんだ。頼む!感じてくれ!!頼む~!!
口先よりも気持ちを込めてもう一度繰り返す。
が、やはりかみかみ。もう今すぐにソーリーと言って電話を切って遠くに逃げ出したかった。
だけど「あぁ、あなたココの友達ね。」
伝わったー。言葉ではなく、完全に気持ちの勝利だった。
レアリさんが出ると、緊張が嘘の様に解けてなくなった。
改めて自己紹介をして、「今ブランディングにいて、明日にはそちらに着けそうです」と
レアリさんは「わかったよ。今ブランディングなんだね。ここまでの道はアップダウンが多いから頑張っておいで。でもとてもいい景色のところだよ。」
とても優しい声だった。それからにさんやり取りをし、電話を切った。
ガチャ・・・
ふーっと息をつき、改めて空を見上げる。ものすごくきれいな青空だった。