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自転車で世界一周した父が、家族のために気軽なアウトドアに奔走します。

2009年 ナバホ族 レアリさん家に泊まろう 最終日リアルインディアン編

その日レアリさんは、僕らのホーガンに入って来るなりこう言った。

 

バットニュースがあるんだ。今日のナバホセレモニーなんだけどね。
実は昨日首長さんのお婆さんが、亡くなられたんだ。だからセレモニーは来年に持ち越しになってしまった。すまない。

 

そうなんだ・・・。仕方ないね。それにレアリさんが謝る事じゃないよ。

代わりに今日は馬に乗ろうと思ってんだけど、一緒に来るかい?

 

明らかに僕らに使ってくれている。優しい人なのだ。
もちろん返事は

 

「喜んで!!」


インディアンに馬を教えてもらえるなんて、これ以上の贅沢はないだろう。

乗る馬はもちろん先日餌をあげに行った、3頭。

僕と井戸さんが、おとなしいダスティとラッキーに。

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この子僕が乗ったダスティ。横っ腹蹴りまくってごめん。

レアリさんが、野生育ちのヘイロウに。このヘイロウ野生なだけに、めちゃ暴れる。まずそのありあまる体力を消費させてからではないと、乗れないという。

かれこれ一時間。

 

ダスティとラッキーは即乗りOK。
海外では、象、ラクダには乗ったことがあるが、馬は生まれて初めてだ。

よっ、と!

乗り心地は、素人の僕にはいいとは言えないが、概ね良好。
始めこそ思うようにいかなかったが、おとなしく賢い彼らだ。慣れてくるとある程度、走れるようになってきた。
なによりかわいい。

 

さて、ヘイロウのアイドリングが終わったところで、3人3頭で荒野に向け出発した。

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道がないただの荒野。奇怪な岩山。渓谷。

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自転車で走り抜けるのも最高だが、やはりこの地は馬が良く似合う。

 

これ素人下っちゃ駄目でしょう!?

 

という崖もレアリさんは「こっちこっち」と下っていく。

・・・行くっきゃね~!!

おわぁ、ひやぁ~。ほわ~ぉ

 

奇怪な岩山に奇怪な叫び声が響く。

とてもスリリング。でも全身の血が踊っている。

モニュメントバレーでインディアンと馬。これ以上の組み合わせはそうそうないだろう。

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大満喫で初乗馬を終えた。


明日僕らは出発だ。レアリさんも用事があり、明日朝5時に出発するというで、アドレスを交換しに彼の家にお邪魔した。

レアリさんが「モニュメントバレーでは色々な、映画の撮影があってね。」と
その時にインディアン役として出ていた写真などを見せてくれた。

 

さらに一冊の本を取ってきた。なんと日本語の本だ。
「どうしたの?」と聞くと、「撮影に協力したんだ」

 

なるほどね

 

その本は、かわいい日本人の女性が、モニュメントバレーの見事な構図に綺麗に何枚も微笑んで文章が綴られていた。写真と文字が半々くらいのスローライフ系の本だ。
時間がなくて文章は読めなかったけど、写真はまさに日本で想像していたモニュメントバレー・インディアンという風に、どれも引き付けられるすばらしい写真だった。女の子かわいいし。

 

「で、レアリさんは何に協力したの?」

「ん?これだよ。これ」

 

「え・・・・?えぇーーーー!!!これレアリさん!?」

そこにはシリアスな表情をし、行き過ぎていないインディアンっぽい格好をし、焚き火の前でなにやら祈るようなポーズを決めていた。意外に役者だなレアリさん。

僕らにみせる笑顔は、微塵も感じられない。映っているのは、日本向けのインディアンだった。


くっくっくっく・・・

確かに写真の中のインディアンと映っている写真は物凄く素敵だ。女の子かわいいし。

もういいか。笑
一方僕のカメラに収まっているのは普通の格好をした、普通の人たちだ。

だけど、本当のインディアンと、笑い合え一緒に過ごせた事を、心より幸せに思う。


ありがとう!レアリさん!!
ありがとう!ナバホインディアン!


本当に本当に貴重な体験でした。

 

 

 

 

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