その日、5度目の分水嶺越えをしルート66の路肩の草むらで昼飯を食べていた。
すると後ろから
パプッ
振り向くと一台の車が止まっており、中からビニール袋を持ったアジア系の男性が、笑顔で降りてきた。
「どこまで行くの?はい、これ差し入れ。あげるよ。じゃ気をつけて楽しんでね」
と僕にビニール袋を渡し、すぐUターンして行ってしまった。
Uターンと言う事は、わざわざ僕に差し入れを持ってくるためだけに来てくれたのだ。
なんというすごい行為だろう。やさしさが胸に染みた。
さっそくビニール袋を開けてみる。
まず
ジュース。自転車は喉が渇くからな。ナイスチョイス
後2品入っている
飲みかけの水に、食べかけのポテトチップ・・・
ひゅるるるる~
冷たい正午の気持ちいいが風がほほをなでる。太陽が降り注ぎ、草木が揺れる。
あぁ。なんていい天気なんだ・・・
その優しい空気に包まれ、僕の世界は一瞬止まった。
・・・なんて優しい人だろう。自分のなけなしの水と食べかけのお菓子を僕に分けてくれたのだ。
僕はいままでこんなに感動する差し入れを貰ったことがあるだろうか
いや、嘘です。
すんません。爆笑しちゃいました。
ひゃ~ひゃひゃひゃひゃ~。
ウケル。え~。なんで?どうしてどうして??
ひゃ~ひゃひゃひゃひゃ~。
なんでそれ入れちゃった?わざわざUターンして来たのに~
もちろん彼の差し入れを馬鹿にしての笑いじゃありません。
彼のユーモアに笑っているのです。
それにしても・・・
ひゃ~ひゃひゃひゃひゃ~。
やべ~。思い出し笑いが止まんねぇ
ひゃ~ひゃひゃひゃひゃ~。
すっごい元気出た。本当に最高の差し入れでした。
世界はまってこ広いぜよ