朝リビングに出ると、子供達が学校に行く準備を忙しそうにしていて、お父さんはのんびりテレビを見てお母さんが料理を作りながら子供達に「急ぎなさい急ぎなさい」と急かしている。
なんかこういうの久しぶりに見たなぁ
国が違えど、子供のいる朝の風景はどこも一緒なんだなぁ
朝から、トルティージャは粉から作っていた。
朝食もすごくおいしいかった。だけど、朝食が終わってもまだお母さんはせっせと料理をしている。
出来上がると、包んで僕に「お昼に食べなさい」と渡してくれた
本当にめちゃめちゃうれしかった
「うわぁい。ありがとうございます!!」
一休みしてお父さんが昨日の国道まで送ってくれた。
「遠い日本から自転車で来た青年を、私は生涯忘れないよ」
なんて素敵な別れ文句だろう。本当に良い家族に出会えた事を心から感謝しお別れした。
だけど、国道上で自転車に荷物を積んでいたらテントの内側に敷くマットを忘れてきた事に気づいた。
やっべ~。まぁしゃーないか。エアマットもあるし、元々防寒用だったし。
ちょっとショックを受けつつ出発。
しばらく走ると州境が見えてきた。ここでチワワ州が終わり、ドゥランゴ州に入る。
といきなりこんな物が見えてきた
んなこと言われたって・・・
ここ荒野のど真ん中の一本道なんですけど。
確かにここはいわゆる高速だ。自転車は料金が掛からないが料金所もちゃんとある。それに旧道も全てではないが、並走して伸びている。
だけど、チワワではこんな標識見たことなかったのに。
ちなみに新道は、片側2車線の路肩2mの快適道路。交通量だって多くない。一方旧道は対面1車線の路肩なしの気を使う道路。それに以外交通量もある。
いいや。どうせ脇道もないし、快適だしこのまま高速を走ろう。
が、走っているとパトカーが追い越し前方で止まった。
げっ!
しまったー。めんどくせぇ。メキシコの警察か。トラブルにならなきゃいいけど・・・
嫌だなぁ
ガチャ
あれ~!!
「お父さん!どうしたの?」
「テントマット忘れてただろ?持って来たよ。」
「そうなんだよー。どうもありがとう。これをわざわざ?」
「そうさ。それに同僚の彼女に君の話をしたら、会いたいって言ったんで連れて来た」
いや、それはいいけど警察の仕事は・・・。パトカー私用に使いまくってるし(笑)
再び感謝とお礼を言い別れた。
さぁここが料金所。
なんか言われるかなぁと思ったけど、いつもの様におっちゃんとにさん言葉を交わしそのまま通過。その後も新道をチョイス
ふぅ。ちょっと休憩。
久しぶりに時間に追われないのんびりサイクリング。
で、お昼。お母さんから貰った包みを開けてみると
こんなんで
こんなんでした。
厚めのトルティージャに具材をサンドしたもの。ゴルディタスと言うらしい。
これがまた
うまーーーーーーい!!!
お母さんは料理上手はもちろん、料理をよく知ってる。冷めること前提のお弁当でこの味を出すとは。
それにやっぱりお母さんのいっぱいの愛情と気持ちが伝わってくる。
元気回復し快調に走っていたけど、また後輪パンク。
いくらなんでもこの頃パンクしすぎだ。
でよく調べてみたら
・・・そりゃパンクするわけだ。他にも繊維が見えちゃってる。
しゃーない。もうちょっととっておきたかったけど、あいつを使うか・・・
予備。最強タイヤ、シュワルベ。マラソンプラス
予備と言うか、こうなる事前提でアルバカーキから運んでいた。
後輪のタイヤはソルトレイクで変えたこれまた強いと評判のニンバス、アルマジロ。
約5000キロ。まぁしょうがないか。ご苦労さんでした。
これで晴れて前後輪最強タイヤを装着完了。
再び快調に走り出すが・・・
なんか前方雨降ってません?
空がめっちゃ黒くなってきて、前方は雷が・・・
こりゃやべぇな。
どうせ今日中には街着けないし、今日はちょっと早めに野宿すっか?
丁度良く橋の下にスペースを見つけたので滑り込むと雨がパラパラと落ちてきた。
ギリギリセーフ。ナイス判断。
まぁ一晩中降るような雨じゃなさそうだけど、今日はもういいや。
明日は大都市突入を控え今日は早く寝よう。
大きな虹が架かってました。