これから向かうサカテカスが世界遺産なのは知っていた。植民地時代の面影を残す歴史地区と。
この日もゆっくり上っていく道と、なにより台風の様な強風に煽られ大苦戦。
わっかるかなぁ。これで風の強さ・・・
楽勝と踏んだ65キロ。正直バテバテだった。
サカテカス 5キロ
こんな看板が近づいて来る。
が、いっこうに街が見えない。大抵大都市の場合10キロ圏内に入ってくると、それっぽくなってくるのに何故か、なにもない坂道を飽きもせず上らせられている。
でも、きっとこの丘を越えれば平野が広がっていて綺麗な街並みが広がってるはず・・・
おっしゃ~。ようやくてっぺんじゃ~!!
・・・って一旦すげー下ってまた、すげー上っている!!!
なにこれ・・・
それでも、必死にセントロを目指し、歯を食いしばる。
が、大分近づいてきた時セントロの看板が消えた。
よくあることだ。これからはそれっぽい所を目指して走る。
ん~。ただどう見てもこっちなんだよな~
どうしよう。めっちゃ下ってる・・・
しかも石畳。フレスニージョで見た様な、綺麗な石畳じゃない。歴史を感じるゴツゴツ系だ。
ここから、下に街が広がっている。どうやら谷の底がセントロで、周りの山をぐるっと囲む様に、街が発達している。よくもまぁなにもない荒野のしかも山の中で、こんなに街が発達したもんだ
後から知ったが、この街はスペイン人が銀山開発で造った街らしい。なるほど。納得。
なんてこった。全然平地じゃないじゃん。
しかも、この傾斜。下りてしまったら二度と上ってこれない様な道だ。
その辺にいたおっちゃんに、
「セントロってこっち~」と聞くと
そうだ。そうだと言うので、
行くっきゃね~
石畳でガタガタいうし、思いっきしブレーキを握って激坂を下りていく。腱鞘炎になるんじゃないかというくらい。
ようやく下りきると今度は大渋滞。
フルパッキンの自転車では脇を抜けられないので、大人しく渋滞に捕まる。
それにしても綺麗な街並みだ。まるでヨーロッパの古い町並みのようだ。
3階建てくらいの白や暖色系の、昔ながらの石造りの建物がひしめく様に建っている。
商店もその景観を壊さぬように、その建物の中に納まっている。
街も階段や細い路地が多く、まさに山に造った街と言った感じ。
まさに世界遺産。カテドラル近くはすごい賑わいだった。
それはいいとして、ホテル探しがしんどい。セントロ近くはみんな高い。かと言って、郊外にとってはこの街を楽しめない。
ホテルを探してウロチョロしていると、英語の出来るメキシコ人家族に
「どこいくの?どっからきたの?」と
「今はホテルを探してるんだけどね。ちょっとさ・・・」
「お金ないの?」
「いや、ないってわけじゃないんだけどね・・・」
しゃーない。いろいろ当たって、高くても泊まるか
だけど
880ペソです
!!
1200ペソです
!!!
あぁきついなぁ
次のホテルも
600ペソです
600・・・。600かぁ
そりゃ、世界遺産の街の中心地にあるし、ホテルも物凄く立派そうだ。それにちゃんとボードに値段も書いてある。
もう探すの疲れた。坂道多いし、石畳だし自転車じゃ不利すぎる。
でも600かぁ
値切ったわけじゃない。本当に凹んで悩んでいた。う~ん。う~ん
「あなた自転車で来たのね?いいわ。400で泊めてあげる」
「え~。本当に~。めっちゃ嬉しい。ありがとう!!」
ホテル内は、いままで泊まったどんなホテルより広々で綺麗だった。
吹き抜けの中庭に、囲むようにブテックが入っている。
部屋はちょっと狭いけど、とてもセンス良く綺麗に整っていた。
しかも、カードキー。メキシコじゃ存在しないと思ってた(笑)
さっそくシャワーを浴び街に繰り出した。
こーんな感じ。
自転車じゃしんどいけど、歩くのには最適な街並み。
こんな水道橋もある。本当にヨーロッパのよう
マジックアワー
うす雲が出てたので、今日の夕焼けはめちゃめちゃ綺麗。
だんだん薄暗く
ここ本当メキシコ?入ってる店もお洒落そのもの
オレンジの照明が優しく街をライトアップします。
なんて幻想的な風景なんだろう。
ちょっとふらついて、さっさとホテルに帰るつもりが、気がついたら夜になってしまっていた。
明日また、ぶらぶらしーよう。