なんかまたしばらく天気が悪いらしい。このところ出発しようと思うと天気が悪くなる。
ちなみにメキシコの首都であるメキシコシティまで後300キロ程度。
だけど、たった300キロの道のりなのに、未だにいつシティに到着するか読めていない。そこでは安い日本人宿があるので、のんびりしようと思っているのに、その前のサカテカス・グアナファトでものんびりしちゃってるし、次の目的地ケレタロも世界遺産だし、天気良くないし・・・
はぁ。一体シティ到着はいつになることやら・・・
と思ってたら、予想に反して晴れていた。
おっしゃ。出発だ~
ここからケレタロに行くには二つのルートがある。まずはこのまま山を上がり峠を越える峠越コース。しんどいが途中の街もいい感じらしい。
そしてもうひとつが、20キロほど戻って山を下り、山を回避する迂回コース。迂回と言ってもたぶん距離は同じくらい。
・・・じゃ、迂回コースで。
峠越えで雨で更に途中で町なんてあったら、それこそシティ到着がいつになるかわからない。
さよなら。浪漫のグアナファト。俺この街好きでした。
街を抜け、通ってきた高速を走ろうと料金所を抜けようとしたら、おばちゃんに
「自転車はダメよ~」と言われてしまった。
スペイン語の持ち合わせがない僕は、日本語で
「え~。ダメなの~?じゃどっから行けばいいのよ~」と返す。
僕は結構英語圏以外では日本語使う。もちろん傲慢さからじゃない。スペイン語で話せないから黙るよりも、日本語でもなんでも言葉を発したほうが伝わりやすい。
もちろん極力スペイン語頑張ってますが・・・
実はこの道が自転車不可なのは知っていた。だけど、下道は遠回りだし路肩もないからあまり行きたくない。
おばちゃんは手で、あっちからよみたいに。
うぅ~ん。困りましたねぇ。さすがにダメって言われちゃ突っ切るわけにはいかないし・・・
別に駄々をこねた訳じゃなく、その場に立ち尽くしていたら、おばちゃんはどこかに連絡をしているようだった。連絡はすぐ終わり、僕等に言った答えは
「行っていいわよ」
「え?本当!?どうもありがとう」
日本語で返したからめんどくさいと思われたのかも。
なににせよ遠回りしなくてすむ。よかった~
料金所のすぐ脇に、こんなんありました
ドライブスルーコンビニ。すげぇ。思わずはしゃぎまくちゃった。
ただ時間かかりそうだし、絶対駐車場を作ったほうが効率いい気が・・・
おじいさんは山へ芝刈りに。おばあさんは川にバス洗いに。
東南アジアのメコン川でもこんな感じにやってたなぁ
しばらく快適に走り、山を下り終わりそうな時前方に2人のサイクリストが止まっていた。
おっ。もしかすると・・・
あ~。やっぱりそうだ。「オラー!!また会えたね」
実は僕はこのドイツ人夫婦にグアナファトで会っている。
玄関先に自転車を置いていたので、それを見た彼等が僕等を訪ねてきて、少し話していた。
「君達は、この上道を通ってきたのかい?僕等は何分も物凄く注意されてね。下道を通ってきたところなんだ。何も言われなかった?」
「うん。一回止められたけど、一分ぐらいで行っていいよって言われたよ」
「そうなんだ。いいなぁ。じゃ僕等の注意は一体なんだったんだろうなぁ」
奥さんが「きっとアメリカ人と思われたのよ。私達はドイツ人なのにね」
メキシコ人の対米感情がどうなのかは知らないので、なんとも言えない言い分だったけど、僕等がスペイン語も英語もわからないアジア人と思われたからパスされたってのはあるかも。まぁ思われたって言うか、その通りなんですけど・・・
彼等は南米ウシュアイアからアラスカを目指し走っているそうな。しばらく立ち話した後別れ道まで一緒に走る。
久しぶりに会ったサイクリストだった。ちょっとの時間だったけどやっぱり通じるものは多い。
それからの道は多少アップダウンはあるにせよ概ね良好。どうやら迂回ルート正解だったようだ。ただ昼過ぎから雲か広がり、強風になった。西から吹く天気を崩す風だが、東に進んでる僕等にとってはありがたいものだった。
4時の休憩時には既にケレタロまで100キロを切っていたので、いい所があったら野宿しましょうと決めた。
と、しばらく走るとポツポツと雨が落ちてきた。ちょうどインターチェンジの陸橋が見えたのでとりあえず非難し、そこで野宿出来ないか探りまわった。
実は、今まで走ってきた所もあまりいい野宿地がなかったので出来ればここで決めたかった。結構探し回った結果、道路から死角で風も弱く、テントを張りやすそうな場所を見つけ決める。
雨は弱いのが時折落ちてくる程度。暑くもなく寒くもなく、コオロギがいい感じで鳴いている。こんな時のテントはとても贅沢に感じる。
これで明日雨が降らなきゃ言う事ないんだけどなぁ。
Guanajuato - Salamanca付近野宿 79キロ