「夢幻世界とはこれか、と我々は口々に言った。高い塔、神殿、建物などが水中にそそり建ち、兵士のなかには、夢を見ているのではないか、と我が目を疑う者もあった。」
アステカ帝国を滅ぼしたエルナン・コルテス指揮下のスペイン軍記録係は、テノチィトランと呼ばれていた現在のメキシコシティを初めて目にしたときの驚きをそう書記している。
テノティトランは先住民アステカの時代には湖上に浮かぶとても美しい大きな都市だった。
今は昔の物語・・・
スペインに滅ぼされたアステカ帝国は、湖を埋め立てられ神殿、宮殿を壊しその上にスペイン風の市街地を築いた。
今日はそんなテノティトランこと、首都シウダー デ メヒコを目指す。
朝、メキシコシティまで69キロ。完全に射程圏内
50キロ地点。東京に次ぐ世界第二位の人口らしいけど、50キロでもまだ山しかねぇ。
こりゃ世界二位と言ってもメキシコたかがしれてるぜぃ
・・・と思ったら40キロ地点の巨大な料金所を越えた所からいきなり
なんか嫌な予感・・・
そっからいきなり都会が出現。
車と、排気ガスと、埃と、渋滞と。これが40キロ続くのかと思うとゾッとする。
もう片道何車線なのかすらわかりません・・・
路肩ないはわ、かりにくい分岐点多いわ、道デコボコだわ
20キロ地点。ラーメン作ってる場合じゃねぇ。セブンでパン買うべし
ようやくシウダーデメヒコ。
道が全然わからない。グアナファトとはまた違う巨大迷路。
「おっちゃ~ん。道教えて!!」
思ってる道とは全然違う。でもむしろ目的地へは近い。
なんとか目的の日本人宿。サンフェルナンド館に到着。
日本人専用で、日本人には有名だから看板など一切ない。
柵があり扉はインターホンを押して中から開けてもらうシステムだ
ピーンポーーン
がっちゃ
「あ~。こんにちは。会えると思ってましたよ」
そこで中から開けてくれたのは、サカテカスで会った服部君だった。
ブログで彼の足跡を追っていたので、ここで滞在している事は知っていたが、やっぱり久しぶりに会うと嬉しい。
日本人宿とは、普通ごちゃごちゃ日本の物が溢れかえっていて、ドミ部屋はめっちゃ汚くて、長老的な沈没旅行者が必ず居て、男割合が高い。そんな所なんだけど・・・
めっちゃ綺麗。
こんな綺麗な日本人宿は初めてだ。まぁ卒業旅行シーズンだからね。小奇麗な格好をした大学生がとても多し、女の子の多さにも驚いた。
ここの爽やかな空気で、僕の中の空気を入れ替えよう。長居決定だなこりゃ
それにしても無気力な沈没系はいないなぁ。髭を生やしてるのは僕ぐらい。目立つなぁ。
夜はダイニングのテーブルで、卒業旅行中の大学生達とビール片手にわいわい盛り上がった。なんか久しぶりだなぁ。こういうの。やはりこの空気感が旅だろう。
それにしても、就職を控えた彼等の方が僕よりも全然大人に見えるんだよなぁ
なんか自分が働いていたのが遠い昔のようだ
mexico 65キロ