実はこのテウアンテペックあと20キロばかり走ると海の町に着く。
海はアンカレッジ以来9ヶ月見ていない。
僕は海の町、神奈川県は小田原育ちだが特に海に思い入れはない。ちょっと西に行くと湯河原、伊豆といった綺麗なサーフィン所。さらに東には言わずと知れた湘南の海が広がっている。
その誰もが心を躍らせる名所に挟まれているにも関わらず、小田原の海は残念ながら遊泳禁止の漁村だ。
アジと蒲鉾にはうるさいが、地元に波を語るようなサーファーの友達は誰一人とていない。
もし隣町の大磯にでも生まれてたら、
「せっかく海が近いから、波でもみてくっかぁ」
などとひとり呟き、自転車にまたがり颯爽と海へ向かうんだろうが、幸か不幸か漁村育ちの僕はそんな気は微塵も起こらず、再び山岳地帯へ漕ぎ出すことにする。
前置きが長くなりました。ようはこの日あまり書くことがなかったってことです。笑
次の目的地のサンクリストバル デ ラスカサスは標高2000m以上あるらしいが、今日の所は海の見えない沿岸部を走るみたいだから、まぁ楽勝だろう。
こんなまっ平らな道路なんてすっごい久しぶり!
気持ち良さそうでしょ?
ところがどっこい、猛烈な向かい風&横風に煽られて最悪。
風が強いのに焼いてんじゃね~!炎と煙で死ぬかと思った。
あぁ。こんなんなら風待ちでもう一泊すりゃよかったな
でも年がら年中風は強いみたい。
午前中はそんな強風に煽られたけど、午後は進路が変わったのと風自体の強さも弱まり、なんとか目的の町まで到着。平坦だったけど、疲れた。
地図上では小さいながら1000人以上の村らしいけど、標識にホテルの表記がなかったな。
「おっちゃ~ん。この町にホテルある?」
「おぉ。なんだお前は?そんななりしてどこ行くんだよ?まぁとりあえず一杯飲んでけよ」
「いやいや。ホテルを探してるんだよ。それにもう夕暮れだしおっちゃん達に付き合ってる暇は・・・」
あざ~っす!!
「そうかアラスカからアルゼンチンまで行くのか?なんだ?あぁホテルか。それならこの先にあるぜ」
なんか南に来てからさらにラテンのノリが増してんなぁ。走ってても挨拶してくれるドライバー多いし、やたらビール薦めてくるし。
アジアだったらここから値段交渉の始まりだが、ラテンは本当にサラッと
「気をつけてな~」と気持ちよく見送ってくれる。
スゴイ!
さて、ホテルがあるって言ってたけど・・・
野宿に備えて、大量の水と食料を購入。笑
信用してないわけじゃないよ。念のためよ念のため。
町外れに、これまた町一軒だけの綺麗なホテルがあった。
値段も200ペソと、意外とリーズナブルでひと安心。
明日からまた山岳地帯かぁ・・・
Zanatepec 111キロ