ここタカハウスは授業でグアテマラの先生に教わるからか、長期滞在者が多いからかは解らないが、日本人同士でもお別れの時にハグをする。
もちろん「しなければいけない」みたいな決まりはない。でも誰からともなく始まった。
出発日。授業の休憩時間に合わせてタカハウスを出る。
貴重品のロッカーのネームプレートをはがす時、まるで卒業する高校生の様な気分だった
出発を決め既にパッキング済みの自転車でお別れに来てるのにも関わらず、みんなの顔を見るとその決意がゆらいでしまう。
寂しいね。
そんな言葉をもらう。
飲み込んでしまうと本当に出発をやめなくてはならなそうだったので、飲み込まずに止めておく。
みんなと他愛もない話をしたり、写真を撮ったり。
まずは先生達にお別れを告げひとりひとりとハグをしていく。
ハグってやっぱ不思議。
物凄い感情が溢れてくる。泣けって言われたら今すぐにでも号泣できる。
ともに日々を過ごした仲間とも、ひとりひとり言葉を交わして、一人ずつ抱き合う。
別れの時の言葉ってうまく言えた試しがない。ひとりひとりにすっごい感謝してて、色々言葉も考えてたりしてるんだけど、いざ別れになるとなかなかその言葉がみつからない
でも抱き合うと感謝、思い、が言葉を通り越して一気に伝わる。
もちろん別れの悲しさも必要以上に伝わってきてしまうけど・・・
それにしてもみんなに見送って貰えるの自転車乗りの特権かもしれないなぁってこの頃思う。
なんだかすげぇ幸せです。
「じゃ行くね。どうもありがと~」
自転車にまたがり最初の一歩を踏み出す。
後ろでみんなの声がしても安易に振り返れないくらいふらつく。
それでも一度は振り返り、手を挙げ応える。
この気持ち伝わればいいな
寂しいね。
さっき貰った言葉を飲み込んだ。
言葉で言い表せないくらいの寂しさが襲う。
別れは非情であり、悲しいものだ。
でも、悲しい別れには必ず楽しい日々が存在する。
タカハウスに来てからというものブログの更新数が愕然と落ちた。それは勉強をしてたということもあるけど、ブログわざわざ特記する内容が少なかったから。
ではつまらない単調な日々だったかと言われるとそうではない。
みんなで料理を作ったり、ご飯を食べたり、リビングでぐうたれながら話したり。
そんななんでもない日々がなにより楽しかったしかけがえのない時間だった。
楽しかったからこそ、この悲しい別れの余韻がたまらなく好きだ。
タカハウスで撮ったお世話になった友達の写真を本当一枚一枚載せて紹介したいんだけど、時間的にちょっときついので今回は一枚だけ。
アラスカで会ったチャリダーの心さんと井戸さん
6回目の再会。実は果たしてたんです。この町で。
「もうこれで本当に3人は最後かもね」
そんな事をずっとずっと言ってたい。
気持ちいい風に吹かれる。
寂しい別れと、楽しい日々が走馬灯のように繰り返す
しばらく忘れていた感覚が蘇る。
太陽の日差し。汗が出て、のんびりと変わっていく風景。通り過ぎる街並み。手を上げてくれる人。草を食む牛。
やっぱ自転車はいい。旅はいい。
僕は今前へ進んでいる
・・・。
こんなくさい台詞をつぶやけるのも、シェラ盆地のなかだけだった。
盆地を抜けると、いきなり山岳地帯突入だ。
余韻にどっぷり浸っていた世界から一気に現実に引き戻される。
って
なんでこういつもいつも長期滞在の後に限って山なんだよ!
自転車が死ぬほど重い。
体力落ちすぎ。
筋力なさすぎ。
息荒れすぎ。
坂長すぎ。
さっき自転車いいとか安直にいいすぎ。笑
はぁ。ちょっと休憩。
今日こんな走る予定じゃなかったのになぁ。
それにしてもしんどいなぁ
それでも6時ごろ77キロ地点のホテルに投宿。
いや本当びっくりするぐらい疲れた。でも気持ちのいい疲れだ。
走り終わってみると
やっぱ自転車っていいなぁって。笑
旅っていいなぁって
出会いって、別れっていいなぁって
抱き合える仲間がいるっていいなぁって
ごめん。やっぱ俺幸せだわ
本当に本当に楽しかった!!
どうもありがとう。南米での再会を楽しみにしてます
Xela - Los Encuentros 77キロ