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自転車で世界一周した父が、家族のために気軽なアウトドアに奔走します。

2010年 自転車強盗多発地帯の回避。Piura~Trujillo

ペルー北部自転車を狙った強盗多発地帯についてのあれこれ。


前半真面目な話。


実はペルー北部の沿岸部は自転車乗りに取って非常に治安の悪い地域なのだ。

 

特にチクラーヨ ~ トルヒージョ間。

 

ここは自転車旅行者を専門に狙った強盗が多発している地域で、ここを通ると高確率で襲われるという。

この情報をもらったのは友達伝いのサイクリスト藤さんのブログ。
だけど、この後出合ったサイクリスト2人も同じ区間が危ないと言っていた。元々この区間は治安が悪いと言うのはサイクリストの間では有名な話だったけど、高確率で襲われるまで悪化してるとは思わなかった。


情報源は恐らくトルヒージョにあるサイクリストが無料で泊まれる自転車屋さん。カサ・デ・シクリスタ。地元のしかもサイクリストが集まる自転車店の情報だ。本当に多く襲われているのだろう。

南米を走る自転車乗りの半分くらいは北部の沿岸部をバスでワープする。

 

僕は、「出来る限りの自走を目指すけど、危ない地域は公共手段を使って回避する」

と始めに決めている。

これに関しては賛否両論あると思うけど、仕方ない。これは僕の旅行だから。

それに僕はこのブログで自転車旅行のストイックさを伝えたいとは思ってない。

気軽で、簡単に、楽しく走れる世界一周。そんなノリで充分だ。


さらに


ピウラ ~ チクラーヨ間

ここも無人の砂漠地帯が続き、あまり自転車乗りにとっての治安がよくないらしい。
「行かずに死ねるか!」を書いた石田ゆうすけさんが襲われたのも恐らくこの区間

ただ藤さんのブログでは砂漠地帯ではなく、山沿いに延びるルート1Bでチクラーヨに行ったという。


僕の場合。

この情報を貰った時点でチクラーヨ ~ トルヒージョ間はバスを使おうと決めていた。
高確率で襲われる地域なんて怖すぎる。

で、迷ったのがピウラ ~ チクラーヨ間

結論から先に書くとこの区間もバスを使い結局ピウラ ~ トルヒージョ間、約500キロをワープした。

大体情報はこんなところ。

ちなみに当然この区間全て走ってる人もいるし、僕が危ないと判断しバスを使った区間を走り、これから走ろうと思ってるトルヒージョ ~ リマ間を危険と判断しバスを使った人もいる。
完全自走を目指す人は、事前の情報収集をしっかりと。

ちなみに完全自走を目指す心さんは、バスで一旦荷物をトルヒージョまで持って行き、襲われても取られるものの無い状態の空身でチクラーヨからトルヒージョまでを走るという計画を練っていた。

いや本当に尊敬するっす。心さん

 

ちなみにちなみに、バスも必ずしも安全とは言えない。
夜行で走っていたバスが朝休憩の時止まるとなんとフロントガラスが粉々になっていたという。
運転手曰く、走行中に割られたが止まると強盗に襲われるので前が見えない状態で走り続けて難を逃れたという。
これから飛ばすのはそんな地域。バスのご利用もお気をつけて

ちなみに自転車乗りの磯田さんのブログです。

 

以上強盗多発地帯の情報あれこれでした。以下通常ブログです。

 


今いるスジャーナからピウラまでは約40キロ程だ。この時点でもまだこの区間をバスで飛ばそうか、山を走ろうか決めかねていた。
いや、正確にはバスを使おうと決めていたんだけど、久しぶりの平地の走行が楽しくてこのまま走ってもいいなと揺れていた。

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平地だと40キロはあっという間だ。10時過ぎにピウラに入ったようだった。

とりあえずセントロに向かった。

 

「よし、このまま山を走ろう」

と思った瞬間バス会社のターミナルが軒を連ねる通りに出た。

と、先ほどの決意はもろくも崩れ去り、ふらふらとターミナルへ向かう自分がいた。

 

「やめやめ、やっぱバスでいこ。で、予定より早くトルヒージョにつくから温泉に行こう」
(いや、確かにこう思ったけど、本当に危険地域なんだよ。本当に。笑)

一軒目のバス会社はトルヒージョまでのバスが小さいから自転車は乗せられないとNG

向かいのバス会社はOKをもらった。

なんて読むんだろう。この会社

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2時発。乗車料は25ソル(約800円くらい?まだ詳しく把握してないけど)

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自転車は?と聞くと、あっちの荷物預かりカウンターで聞いてと言われた。

行ってみると、愛想のいいおにいちゃんが対応してくれた

日本人?と聞かれ、そうだ、と答えると、おもむろに紙を取り出しニコニコしながらこう言って来た


「アナタノ バイクヲ シハラウ ヒツヨウガ アル」


最初まさか日本語を言ってるとは思わず、はっ?って顔をしてたら

もう一度


「あなたの バイクを 支払う 必要が ある」


と言っていたので驚いた。
まぁちょっとこのままでは説明不足だけど、この状況で外人から言われたら、自転車を預けるのに別料金が掛かるってことを伝えたいってすぐわかった。


え~~~。すごいじゃん。すごいじゃん。ちょっと見せて。

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愛想のいい彼の事だから、やってきた日本人サイクリストに教えてもらったのだろう。
やはりここからバスを使う自転車乗りは多いらしい


OK!OK!!で、いくら払うの?

 

 

 


アナタノ バイクハ ・・・シヌ

 

 

 

 


・・・はっ?

 

 

 

これははっきり聞き取れたけど、驚いてまた「はぁ」って顔をしてたら、また伝わらなかったと彼が思いニコニコして2度言ってくれた

 

 

 

 

 

あなたの バイクは 死ぬ

 

 

 

 

 

ちょ、ちょっと待って。いきなり何不吉な事を言ってくれてんのさ。

戸惑う僕を見て彼は

ディエス。(10)

つまりこう言いたかったらしい

「あなたの バイクは ディエス」(別料金10ソルかかります)


意味がわかり、一人でクックックックと笑ってたら、なんか変だったと聞いてきたので


いや、シヌってMorirって意味だよ。


と教えるとビックリして、笑い転げてた。


そんなこんなで荷物を預け、一旦昼飯を食べに町にふらつきに出る

今日は豪華にセビッチェとチュレータ(骨付きあばら肉。)

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セビッチェはペルーの名物料理。中米などでも食べられるけどペルー沿岸部が本場。

ここのセビッチェはエビ、マス(たぶん)、タコを本当に軽く湯通ししてあるがほぼ刺身。それに玉ねぎが入っていてレモンで酸っぱく頂く。
本当に美味しかった。それに米。美味くなった。ペルー沿岸部はご飯が美味しいと言うけど、それは本当にそう思う

 

だってこのメニューの数だよ。コロンビアとエクアドルでは鳥か牛かくらいの選択肢しかなかったのに

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ご飯を食べ終え、お菓子とジュースを買い込みいざバスへ

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荷物がちゃんと積まれてるかは当然チェック

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定刻にバスは出発。町はすぐ終わり、ひたすら本当にひたすらこんな変わらない景色の中をひた走る。

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町はおろかすれ違う対向車すら数分に1回とかいうレベル。
強盗が待ち伏せしてたらもうどうしようもない。
チクラーヨの町を抜けると、

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またひたすら砂漠。

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ここはゴミ処理施設。というよりそのまま捨ててある地域。ちょっとひどい

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バスの中からでは治安がどうのこうのとは判断できないけど、狙われやすい地域であることは間違いないようだ

8時半。トルヒージョに無事到着。

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もう遅いし(自転車にとっては)、バス会社の近くのホテルに適当に入ろうと思ったけど
セントロまで近いと言うし、この時間ならまだ危なくないとの事だったので、セントロまで走ってみる

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綺麗な町だった

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実はこの町でも友達との再会の約束をしてるので、指定されたホステルへ向かう。

ホステルはすぐ見つかったけど、友達が来るのは3日後。

ご飯を食べに行き、早々に眠りに着いた

500キロ。
わかってはいたけど、そんなに来たんだな。
バスで飛ばすとあっけないものなんだな。

 

 

438日目  Sullana - Piura - Trujillo 自転車42キロ バス約500キロ

 

             

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