彼らほど気持ちのいい連中はいない。
それは海と空の両方が彼らの心を洗うからだ。
紅の豚の舞台になったクロアチアのアドリア海沿岸はダルマチア地方と呼ばれている。
ダルマチアとは大陸と平行に島が延びている地形の事で、この地方独特の形状になっている。逆に縦に延びるのがリアス式だ。旅に出るって事は知らない事を知るっていう作業だな。まさに
ここには大きい横長の島のほかに、ポルコのアジトになったような島や、ホテルアドリアーノの様な島も無数に点在している。素敵。
紅の豚大好きな僕が、それを差し引いてもここのアドリア海は素晴らしいと感じるに充分の海だった。
まず、大きく違ったのが海の穏やかさ。
島が陸地に対して平行に延びている為、まるで湖の様に穏やかで、更にその島が小高い山がいくつも連なるように延びているので、海ではなく風光明媚な山岳地帯を走ってる様な感じだった。
また走る道も良かった。
南仏のように、ひたすら海岸線!!という訳ではなく、少し内陸に道路は延びていた。そこは松の木やオリーブの木に覆いつくされており、車やバイクには退屈に思うその道も、時折木々の間からみせるアドリア海は本当に美しく綺麗だった。
当然野宿がしやすそうと言うのも大きなポイントだった
穏やかな陽気に青い空と透明な海。半島に突き出た島に町があり、また対岸の島にも美しい街並みが延びる。
地中海と違いとても落ち着いた雰囲気のアドリア海は最高に気持ちのいい空間だった。
ここを走り改めて宮崎さんは凄いなって思った。
あのフィオの台詞は、この気持ちよさに裏づけされた正真正銘の本音だったんだなって思う。
マルコ。私嫌よ。そんなお葬式。
まさか、これも実際見てジーナの台詞にしたんだろうか・・・
冗談はさておき、クロアチア名物豚の丸焼き。道中のレストランでクルクル回っているのを何回もみた。
とにかくここの気持ちよさは四の五の言っても始まらない。
紅の豚オマージュ的にブログを作ろうと思ったけど、止めた。
言葉にすればするほど、紅の豚の『粋』な世界観とはかけ離れていく。
誰もいない原っぱで、最高に綺麗に染まるアドリア海の夕日を眺めながら、そんな世界観に浸る。
飛行艇乗りの様にはいかなくても、ちょっとはその世界を確かに観れた気がする。
綺麗。世界って本当に綺麗。
偶然にも同じとこで同じことを思った。
ジーナの歌がエンドレスリピートで僕の頭のかなを流れている。
848日目 Zadar ~ Prinosten 104キロ