モンテネグロの観光地コトルを出発して9日目。
ボスニアヘルツェゴビナ。セルビアを経てブルガリアの首都ソフィアに到着した。
この9日間のブログをどうしようかと考えた。
つまらない走行だったわけじゃない。モンテネグロの乾いた山やボスニアヘルツェゴビナやセルビアの渓谷の走行は楽しかったし、2~3日で国が変わりその雰囲気を感じるのは好きだったし、なにより人の良さが愕然と上がった。
誰もがこんな時期に走る自転車乗りをたたえてくれて本当に優しかった。
寒いからコーヒーでも飲んできな!こんな誘いが本当に嬉しくて、みな優しかった
アドリア海を去って内陸に入ってからは本当にビックリするくらい寒かった。
さらばアドリア海の自由と放埓の日々よ
この9日間はほとんど野宿で繋いできたけど、朝の気温はマイナス10度まで下がり全てが凍りつく世界だった。
更に多湿な土地柄からか、午前中は必ず深い霧に覆い尽くされた。
車に対する恐怖ももちろんあるけども、マイナス10度の霧は体に張り付きそして凍っていった。
ただ僕は、みなが敬遠したがる冬のヨーロッパは意外に好きだった。
どこまでも自由で明るい夏のヨーロッパより、どこか影を背負い足早に歩く人々の哀愁が好きだった。
通り過ぎる村ではみな巻き割りに必死だったし、どの家からも黙々と暖炉の煙が上がっていてヨーロッパの原風景を見ることが出来た。
それに霧はかなりやっかいだったけど、それが晴れたときは全てが凍り付いて雪景色とはまた一味違う美しさがあった。
この寒さの中のガソリンスタンドはまさに救いの空間だった。
そんな中山の中で変速機が壊れるというトラブルにも見舞われた。
走行中にいきなりギアがトップに落ちた。
見てみると変速レバーが緩みガバガバしていた。
締めなおしてみるも、うまくはまらなかった。仕方なく一度ばらして色々試行錯誤していた途中カチカチカチとラチェットは生きている事が分かった。
それからついてるリングを一旦外し、溝を合わせて慎重に戻したら見事に復活した。
変速機が壊れたとしても、ギアを固定して走る事が出来るけど、こんな山岳地帯でそんな事を絶対したくない事だったから本当にホッとした。
だけど、思えば変速レバーのネジ緩みは完全に盲点だった。この2年4ヶ月一回も増し締めしていなかった。そりゃ緩むって話だ。
ラチェットが壊れる前で本当によかった。
そんなこんなのコトル→ソフィアの9日間。
859日目 Kotor ~ Cetinje 54キロ 標高 0m→905m→630m
860日目 Centinje ~ Niksic 85キロ 標高 630m→1130m→710m
861日目 Niksic ~ Brod 89キロ 標高 710m→1130m→385m
862日目 Brod ~ Mokra Gora 110キロ 標高 385m→220m→715m
@セルビア
863日目 Mokra ~ Mrcajevci 112キロ 標高 715m→880m→160m
864日目 Mrcajevci ~ Brus 105キロ 標高 160m→860m→280m
865日目 Brus ~ Nis 78キロ 標高 280m→105m
866日目 Nis ~ Dimitrovgrad 105キロ 標高 105m→435m
865日目 Dimitrovgrad ~ Sofia 63キロ 標高 475m