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自転車で世界一周した父が、家族のために気軽なアウトドアに奔走します。

2012年 下ろせないATM と 狙われた僕等。 犯罪を犯す子供たち

さて、前回のブログの続きを書いていく。


3日目の午後は銀行めぐりに費やした。

というのもこれから南部の少数民族に会いに行くわけだけど、彼らを写真に収めるのは3ブルほどの新札を渡さないとならないと聞いたからだ。
(実際は新札じゃなくてもボロボロな札以外は問題なかった)

アディスの銀行で簡単に100ブル札と新札の1ブル札100枚と交換してもらえるとの情報だったけども、ピアッサ周辺は全滅だった。
といっても全部行った訳じゃないけど・・・


まぁどうせATMを使いに観光案内所の近くまで行くから、途中にある銀行は片っ端からあたり、なんとか新札を200枚ほどゲットした

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こんな感じ

 

 


さて、それじゃATMでお金を下ろして帰りますか

 

 

 


と、エチオピアで数少ない僕等が持ってるカードでお金を下ろせるATMで操作したところ

 

 

 


金出ず!!!

 

 

 

 

・・・・。

 

 

 

 

なんで!?

 

 

 

何度かやったけど、ダメだった。
数日前にカズさんがここで下ろせてて、前日にキヨ君は下ろせたって言ってたのに何故下ろせない?

俺のカードが相性悪いなら解るけど、カズさんのカードもダメだった。

ATMで苦戦する僕等を見て警備のおっちゃんも自分のカードで試してくれたけど、同じようにエラーになって下ろせなかった。

 

 

 

 

一瞬にして焦りが喉元までくる。

手持ちのドルはまだまだあるけど、アフリカの序盤でそんなに大量のドル現金を使うわけにはいかなかった。

確かにエチオピアを旅した人はATMが全く使えなかったって人と、一部のみ使えたという人に分かれる。

僕も首都であるアディスだったらな下ろせるだろうなと漠然と思っていただけに、頼みの綱であるこのATMが使えないとなると、かなりピンチに陥る。

事実他の日本人旅人同様僕のカードでは他のどのATMからもお金が下ろせなかった。

 

 

更に都合が悪い事に、もう明日出発すると決めたので今日中に金を何とかするしかない。
南部は小さい村しかなく、アディスでダメだったらもうダメって事だ。

 

 


カズさんと詩織と僕で、そこからありとあらゆるATMに突っ込んでみる。
ちなみに詩織はドルで換金済み。
お金がないのは俺とカズさん

吸い込まれるリスクがあるので銀行併設のATM以外ではやりたくないのが正直な気持ちだけど、そんなことは言ってられない。

でも吸い込まれはしなかったけども、代わりにどれもお金を吐き出してはくれなかった。

 

 

 


僕は途中からトラベラーズチェック(以後TC)作戦に切り替えた。
日本出国前に作ったTCが大量にまだ残っているのだ。

90円時代に換金したとか、手数料がかかるとか言ってらんない。
ここで使わずにいつ使うんだトラベラーズチェック

 

 

 

しかしこれも一筋縄ではいかなかった。
TCを扱ってなかったり、
銀行のアカウントがないと換金が出来ないと言われたり、
いつもは両替できるけど、今はシステムがダウンしてるからまた明日来てと言われたり・・・

 

 



ピンチだ。こいつは全くもってピンチだ。

 

 

 

 


わかるだろうか?

 

 

 

 

異国の地で現地通貨を手に入れることが出来ない焦りが。

 

 

 


いや、まいったぞ。こりゃ

 

 

 

 

 

焦って沢山歩いて銀行を巡ってATMに突っ込んで、ヘロヘロになってきた。

ストリートチルドレン的な物売りがこんな時に限って、物凄くうざく絡んでくる。
そういえばここは行き通ったときに詩織がガキにポケットに手を突っ込まれて、財布を盗まれそうになったところだ。

懲りずにまたしても強引に絡んでくる

疲れている事もあり「いらねぇよ」と半ばキレ気味に蹴散らす。

 

 

 

そいつ等を跳ね除け、信号を渡った所で突然肩を叩かれた

振り向くとおっさんが、かなりのオーバーリアクションで意味不明なジェスチャーをしている。

全く変なのが居るなと、シカト。
第三国でいちいちこんなんを相手してたら道を歩けない

 

そして少し先のとあるホテルのATMで、同じようにトライしようとしたら、

 

今度は2人組みのおっさんが、カマラ。カマラ。(カメラの意味)とこれまた意味不明なジェスチャーで言ってきた。

カメラで撮れとか、カメラを預けろとかそんな意味だと思い、


持ってねぇよ!!

と突っ返す。

 

 

しかし、まったく引き下がらない。
どうなってんだ。エチオピア人なめてんのか?マジで

 

 


さすがにこんな輩が居る前でATMを操作できないし。

 

 


と、輩の1人がカズさんのバックを指差してカマラ。カマラと

カズさんもカメラなんて持ってきてない!!とカズさんが自分のバックを触った時、初めてカズさんのバックのチャックが開いていることに気がついた。

 

 

 

 

 

あっ!カメラがない!!
盗られてる!!!

 

 

 


この瞬間に全てが繋がった。
さっきのストリートチルドレン的な奴等に絡まれたときに盗まれ、それを観ていたエチオピア人が必至にその事を教えてくれたのだ。

 

 

 

おっちゃんたちに詫びて、急いで現場に戻る。

 

 

 

 

すると先ほどの交差点に既に警察により子供達が5人ほど捕まっていた。
盗られたカメラもすぐに警察の手によって戻ってきた。

どうやら、物売りの箱を買ってくれと腹に押し付け、カバンに死角を作りその隙にカメラを抜いていたのだ。

カメラのデータも本体も無事で、その他の被害はなかったのが不幸中の幸い。
(後にトイレットペーパーも盗られていたとわかったけど)

金を下ろす途中だったので、現金やカード、パスポートがなにごともなくて本当によかった。

 

 

さて子供達は、既に怯えきって泣いていた。
第三国のこういった犯罪を犯して捕まった子供達には厳しい折檻が待っているのは、僕も知っていた。

事実警察署まで同行して簡単な調書を作りにいった時、物陰で警察に棒で激しく叩かれている子供達の悲鳴が聞こえた。


複雑な気分だった。


確かに犯罪を犯した罰は受けなくてはいけないと思う。
だけどアフターケアもなく叩かれるだけ叩かれて開放さえれた子供達が、犯罪をやめるとは思わえい。

ただ充分な施設も金もなく、そんな子供達が沢山居たらそうするしか他にないのかも知れないけど。

彼らを捕まえた老警察のじいちゃんは嬉しそうに僕等に、ほら、叩かれてるぞって教えたけど、僕等が願う事はそこではなかった。

 

 


疲れ果て、頼みのATMはやはり全てダメだった。

だけど、最後に行ったホテルの銀行窓口でレシートがあればTCは換金できるという事だった。

 

 

ミニバスでホテルに戻り、疲れてベットに横になりたいのをグッと堪えてレシートを持って先ほどのホテルまで行って、なんとかなんとか無事TCをブルに変える事が出来た。

本当に安心。

手数料も1.5%程と思ったより高くなかったからもう全然OKだった。

 

 


帰ってみんなとの最後の食事。

結局カズさんもその後に行ったATMでお金が下ろせたようで、いろいろ有った一日だったけど、なんとか最後の最後で旨いビールを全員で飲めた。

 

 

いや~。本当に疲れた。

 


エチオピアいい国だけど、油断せずにいこう

 

999日目 Addis Ababa

 

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