バハルダールを出てから、今までの丘陵地帯とは変わり山岳地帯へ入っていった
穏やかな丘陵地帯もよかったけど、
厳しい山々は本当に綺麗で
空が抜群に綺麗で
遠くに見える家がまるでジオラマのように可愛らしく
斜面に広がる田畑はここがアフリカであると信じられない緑豊かな風景だった
そんな中を走行していたある日の事だ。
突然後輪が少し横に振れる感触がした。
なんだろうなと思い気にせず走っているとパキッと小さく乾いた音がした
こりゃスポークが折れたなと思い、自転車を止めてチェックしてみるも折れた箇所は見当たらなかった。
その他のガタツキもチェックしたけど、問題はなかった。
気のせいかなと思い再び走り出すも、やっぱりおかしい。
なんだろうな。と思い何気なく覗き込んだ瞬間血の気が引いた
フレーム(チェーンステーエンド付近)が完全に折れていた。
まじでか・・・
止まり、何度も見るも当然結果は変わることなく割れている
既に山奥に入っており前後150キロ程は大きな町はなかった。
とりあえず無駄とは思ったけど、テープでぐるぐる巻きにして応急処置をして走り出した。
しばらく走るも、物凄いグアングアンと歪むは、タイヤが擦るわで酷かった。
これからどうしようかと、繰り返し頭に過ぎる。
これはとりあえず溶接屋で直せるにしても、一度折れたフレームでアフリカとアジアを走りきれるのか?
なんせ後地球半周分も残っているのだ。
一時帰国をするのか・・・?しないのか・・・・?
そんなことを繰り返し繰り返し考えていた。
しばらくのろのろと走ったけど、とてもまともに走れる状態ではなかったので、バスをひろって町まで出た
町に着いてからすぐに宿の人に溶接屋を教えて貰っていくも、そこでは溶接出来なかった。
溶接のタイプが違うらしく、この町にはないから150キロ離れた更に大きい町に行くか、首都のアディスに行くしかないとの事だった。
エチオピアの走行がこんな中途半端なところで終わるのは非常に残念だったけど、自転車が直せないんじゃバスを使うしかない。
それにそんなんじゃ一時帰国するしかないなと思った。
翌日のバスのチケットを買って、しばらくたった夕方に宿の人が、この町でも直せる溶接屋があったぞと言ってくれたので、行ってみた
なんというのかは知らないけど、バーナーで溶かしながら溶接していく。
そして見事にくっついた。
乗っても全く問題ないいつもの感覚だった。
泣けてきた。なんだか走れるって事がただ単に嬉しくて泣けてきた。
自転車を立掛けて飽きることなく眺める。
エチオピアが中途半端に終わることなく、走れることが嬉しい。
そして走行中も必死に考えて、僕は一時帰国を決めた。
アディスアベバまでの520キロが僕とこの自転車のラストランになった
1026日目 Debre Tabor 120キロ
1027日目 Nefes Mewcha 73キロ
1028日目 Weldiya 46キロ (バス 140キロ)
1029日目 Wuchale 60キロ
1030日目 Dese 61キロ
1031日目 Desse